街のいたるところに置かれているストリートピアノ。これを使って誰でも自由に演奏が楽しめます。
このピアノを弾く人も、聞く人も一緒に楽しむことができるはずです。
とはいえ、ストリートピアノに対しては「うるさい」と感じる声も少なくありません。
では、なぜストリートピアノに対して不快感を持つ人がいるのでしょうか。主な理由は以下の5つ。
自慢っぽく感じることがある
周囲の騒音となってしまう
マナーを守らない人がいること
個人の演奏スタイルが合わない
選曲が自分の好みではないこと
この記事では、ストリートピアノに対して不満を持つ5つの理由についてみていきます。
さらに、ストリートピアノの使用においてYouTubeがどう影響しているのかも探ります。
YouTubeで活動する一部の人々の行動が、苦情を呼び、ピアノが撤去される原因になっている事例もあります。
ストリートピアノに不満を感じる5つの理由
ストリートピアノは多くの人に愛されていますが、一方で不快だと感じる意見もあります。
ここで、ストリートピアノに対して不快感を持つ主な5つの理由を探ってみましょう。
- 自己顕示欲が強いと感じる
- 騒がしいと思う
- 礼儀を欠く人が存在する
- 演奏スタイルが好みではない
- 選曲が自分の趣味に合わない
これらの点を詳しく見ていきます。
自己顕示欲が強いと感じる
多くの場合、ストリートピアノを演奏する人は純粋に音楽を楽しんでいるだけですが、中には「見てくれ、私はピアノが弾けるんだ」という姿勢で演奏する人もいます。このような行動は、周囲の人々にとっては鼻につくことがあります。
自分の技術を披露すること自体は悪くありませんが、それが過度になると他人を不快にさせることも。ピアノの腕前をひけらかすのではなく、音楽そのものを楽しむ態度が求められます。
私がピアノを弾けるとしたら、公の場で演奏する際は、常に周囲の人たちを尊重する心構えを忘れずにいたいと思います。
また、演奏者が意図していなくても、「自慢している」と受け取る人がいることも事実です。特にピアノが苦手な人は、上手な演奏を自慢と感じやすいでしょう。
たとえ技術が未熟でも、他人の演奏を素直に美しいと感じることができれば、音楽の楽しみ方がぐっと広がります。
騒音としてのストリートピアノ
ストリートピアノが不快に感じられるもう一つの理由は、「騒音」としての認識です。
通常、ストリートピアノは公共の場所で弾かれ、そこでは人々の会話や交通の音が既に存在しています。これにピアノの音が加わると、一部の人々にはさらなる騒音として感じられることがあります。
また、アコースティックな性質を持つストリートピアノの音は遠くまで響き渡ります。演奏者がどれだけ気をつけても、その音量は周囲に影響を及ぼし、場合によっては「うるさい」と受け取られることも。
特に、音に敏感な人たちは、ピアノの音を不快に感じることが多いです。楽しい演奏が、他の人には騒音として捉えられるのが、ストリートピアノが持つ複雑な側面です。
マナーを欠く演奏者
ストリートピアノが騒がしいと感じる次の理由は、「マナーを欠く演奏者」の存在です。
適切なマナーとしては、以下の点が挙げられます。
- 音量の配慮:周囲の迷惑にならないよう、大音量での演奏を避ける。
- 演奏時間の管理:継続的な長時間演奏は避け、短めに抑えることが望ましい。
- 演奏の質:聞き手に快適な体験を提供するための高品質な演奏を心がける。
- 清潔な環境の維持:演奏者の服装やピアノの周囲の清潔を保つ。
- 適切な時間帯での演奏:早朝や深夜など、静かな時間帯に演奏を控える。
これらの基本的なマナーを守らないことが、「迷惑だ」と感じられる原因になっています。ストリートピアノを利用する際は、周囲への配慮と敬意を忘れずに、文化的な共存を目指しましょう。
演奏スタイルが合わない
ストリートピアノで感じる不快の一つに、「演奏スタイルが合わない」という理由があります。
ピアノの演奏は、タッチの強さによっても大きく音色が異なります。強弱のつけ方、音の持ち方には個性が出るため、演奏者によっては聴き手の好みと異なることも少なくありません。
一部の聴き手にとって、演奏スタイルが自分の好みに合わない場合、「うるさい」と感じることもあるでしょう。演奏者と聴き手の音楽的好みは様々ですから、それぞれの感覚に敏感になることが重要です。
選曲が合わない
ストリートピアノのもう一つの不快因子は、「選曲が合わない」という点です。
音楽のジャンルや好みは人それぞれ異なります。演奏される曲が自分の好きなスタイルでない場合、それが理由でストリートピアノを不快に思う人もいます。
例えば、クラシックを好む人がポップやロックの演奏を聞くと、心地よく感じないことがありますし、その逆も然りです。また、特定の曲のアレンジについても賛否が分かれることがあります。
ストリートピアノは誰もがアクセスできる公共の場にあり、様々な人がその音楽を耳にするため、どんな選曲をしてもすべての人を満足させることは難しいです。
それにもかかわらず、演奏者ができる限り多くの人に楽しんでもらえるような曲選びを心がけることは、共有空間での礼儀と言えます。
ストリートピアノへの不満にYouTubeが関係しているかも
ストリートピアノに対する不快感の理由を解説してきましたが、公共のスペースで演奏される音楽に対して多様な反応があるのは自然なことです。演奏する際は、できるだけ他の人々も楽しめるように配慮することが大切です。
しかし、YouTubeが原因でストリートピアノが不快だと感じるという意見もありますが、これはどうでしょうか?
一部のYouTubeクリエイターによる次のような行動が原因で、ストリートピアノが不快に思われることがあります。
ストリートピアノを長時間独占する行為
ストリートピアノを動画の視聴回数を増やす手段として利用する
通行人を無断で撮影する
これらの行為は、多くの人にとって失望を感じさせるものです。詳しく見てみましょう。
ストリートピアノを長時間独占する行為
特定のYouTuberがストリートピアノを長時間にわたって占有することで、他の人が演奏する機会が奪われるという問題があります。これは、「うるさい」とか「迷惑」と感じられる原因の一つです。
カメラや三脚を設置しての長時間演奏は、他の利用者に対して不公平であり、コミュニティの場としてのストリートピアノの本来の目的に反する行為です。
ストリートピアノは誰もが平等に楽しむべきものであり、一部の人々のために制限されるべきではありません。共有の楽器として、誰もが公平にアクセスできるよう心がけるべきです。
ストリートピアノを再生回数を稼ぐために利用する問題
一部のYouTubeクリエーターがストリートピアノを利用して再生回数を増やす行動が、公共の楽器の魅力を損なっています。
ストリートピアノは、通行人に音楽の喜びをもたらすためのものですが、再生回数を追求するあまりにその本質が失われがちです。
音楽を共有することの本来の意味を考えるべきで、再生数の追求だけが目的になってはいけませんね。
YouTubeクリエーターには、音楽そのものの価値を大切にし、聴き手に本当の感動を提供することが求められます。
聴きいている人を撮影する行為
また、一部のYouTubeクリエーターが聴き手を撮影する行為も、ストリートピアノの楽しみを脅かしています。
演奏に対するリアクションを撮影するため、聴き手にカメラを向けることがありますが、これがプライバシーや肖像権の侵害につながるかもしれません。
カメラがあることで、聴き手が自然に音楽を楽しむことを妨げることも少なくありません。
YouTubeクリエーターは、撮影する際には聴き手の同意を得るなど、適切な配慮が必要ですよね。
ストリートピアノの使用においては、マナーとエチケットを保ちながら、共に楽しむ姿勢が大切です。
こういったことから一部のYouTubeクリエーターの行動が批判されることもありますが、すべてのクリエーターがそうではありません。
適切に行動している多くのクリエーターもおり、彼らの努力によって街角のストリートピアノが盛り上がることもあります。それらの正しい使い方を応援し、一緒に楽しむ文化を育てたいものですね。
撤去されたストリートピアノとその理由
残念ながら、ストリートピアノに対して「うるさい」との苦情がある場合、そのピアノが撤去されることがあります。
撤去されたり、使用停止になったりした具体的な事例には以下のようなものがあります。
- JR加古川駅(兵庫県)
- 長時間の演奏や歌唱禁止のルール違反、駅のアナウンス中の演奏に対する苦情が多かったため、2023年5月に撤去されました。
- JRゲートタワー(愛知県)
- 大きな音での演奏に関する苦情が原因で、2023年3月に使用を停止し、11月には他の場所へ移設されました。
ストリートピアノを聞いたことがある人はたくさんいるでしょう。
みんなが不満と思っているわけではなくて、時にはカフェでコーヒーを飲みながら演奏を楽しんだことがあるという人もいると思います。そのピアノが移設されたのは残念ですね。
ストリートピアノが撤去される主な理由は以下の通りです。
- 周辺への騒音問題
- 演奏時間のルール違反(特に深夜や早朝)
- ピアノの破損や不適切な使用
- 安全上の問題や犯罪に結びつく可能性
- 利用者が少ない場合
ストリートピアノを楽しむためには、周囲への配慮と適切なマナーが必要です。私たちがマナーを守ることで、これらの楽器が街角で長く愛されるよう努めましょう。
まとめ~ストリートピアノに不満を持つ5つの理由は?YouTubeのマナーも
ストリートピアノが不快と感じられる主な理由は、以下の五つです。「自己顕示欲が強く感じる」「周囲に騒音となる」「マナー違反が目立つ」「演奏スタイルが合わない」「好みではない曲を演奏される」。
加えて、一部のYouTubeクリエーターによる「長時間のピアノ占有」「視聴数の追求のために利用する」「観客を無断で撮影する」といった行為も、不快感を増大させています。
これらの問題が原因で、実際に撤去されたストリートピアノも存在します。公共の場で提供される音楽が、マナーやルール違反によって失われるのは非常に残念なことです。
ストリートピアノを使用する際は、それを利用する全ての人が楽しめるよう、ルールとマナーの遵守が求められます。それによって、これらの公共の楽器が持続可能な文化として根付くことを願っています。