本文 「猫が顔を洗うと雨が降る」という伝承を耳にしたことはありませんか?
このような猫の言い伝えは昔から存在しますが、その背後の理由や真実はしばしば不明です。
なぜ猫が顔を洗う行動が雨と結びつけられるのか、その行動の理由を探ってみましょう。
猫が顔を洗うと本当に雨が降るのか?
「猫が顔を洗うと雨が降る」というのは、単なる迷信と思われがちですが、実はただの偶然というわけではないのです。
この不思議な猫の習性は、実際に洗濯物を雨から守ることがあるかもしれません。
猫は湿度に敏感
猫は非常に湿気に敏感な生き物です。
湿度が高くなると、その湿気がヒゲや毛皮に影響を与え、不快感から顔を洗うようになります。
猫のヒゲは感覚を捉える重要なツールで、湿度が原因でその感覚が鈍ることを避けるために、猫は顔を入念に洗います。
湿気を感じ取り顔を洗う
雨が近づくと、湿度が自然と高まるため、この不快な湿気を感じ取り顔を洗う行動が、「猫が顔を洗うと雨が降る」といわれる原因の一つです。
もちろん、猫が顔を洗う理由は他にもありますから、これが必ずしも雨を意味するわけではありませんが、特に耳の後ろまで丹念に洗う場合、雨が降る可能性は高まるとされています。
猫が顔を洗うその他の理由について 以前、「猫が顔を洗うと雨が降る」との伝承について説明しましたが、猫が顔を洗う行動には他にも理由があります。
次に、猫の顔を洗うその他の動機を解説します。
匂いと汚れを除去することで、自身の存在を隠す
猫はもともと狩猟をしていた生き物で、匂いが原因で獲物や敵に察知されることを避けるために匂いを消す必要がありました。
食事後に顔周りやヒゲを手でこすり、舐める行動は、かつて獲物の血を洗い流すためだったとも言われています。
ヒゲのメンテナンス
猫のヒゲは湿度感知だけでなく、様々な情報を察知する重要な役割を担っています。
風向きや障害物の感知、狭い場所を通る際の判断など、ヒゲは猫にとって必要不可欠です。
そのため、ヒゲが汚れて感覚が鈍ると、顔を洗って清潔に保ちます。
ストレスや葛藤の発散
猫が突然計画していた行動とは異なる行動をとることがあります。
例えば、悪戯をして叱られた後や、何かに驚いた時など、ストレスや緊張を感じると、状況を切り替えるために顔を洗います。
これは「転位行動」と呼ばれ、内面的な葛藤やストレスを他の行動で紛らわすものです。
また、失敗や恥ずかしい瞬間にも顔を洗って気まずさを隠すことがあります。
興味深い猫の行動とその背景
猫の飼い主であれば、猫が日常的に見せるユニークな行動に「なんて面白いんだろう」と感じることがしばしばありますね。
猫は人間とは異なる不思議な振る舞いや、親しみやすい姿を見せてくれます。
こうした猫の行動には、しっかりとした理由が存在します。
喉を鳴らす
猫が安心している時や幸せを感じている時、優しく撫でられると「ゴロゴロ」という独特の音を出しますが、これは猫に特有の行動です。
喉を鳴らす背後には、安心している証拠以外にも、何かを求めている時や自己安抚のため、痛みを感じている時にも見られます。
この行動は猫科動物全般に共通する特徴で、チーターやヒョウにも観察されます。
高所や狭所を好む
猫が高い場所や狭い空間を好むのは、野生の本能から来ています。
例えば、狭いダンボール箱に入ることや、高い場所から周囲を監視するのは、敵から身を隠すためや獲物を見張るための習性が残っているためです。
尻尾を追う
猫が自身の尻尾を追いかける姿は、見る人を楽しませることがあります。
この行動は特に子猫に多く見られ、狩猟技術の練習や、動く物体に対する興味から起こります。
尻尾を追うのは猫に限らず犬も行いますが、この行動には注意が必要です。
遊びの一環であれば問題ありませんが、皮膚炎や認知症などの健康問題を示す可能性もあります。
頻繁にこの行動を見せる場合は、獣医への相談をお勧めします。
踏み踏み
猫が特に柔らかい物質を踏みながらマッサージするように動かす行動を見たことがあるかもしれません。
これを家庭内でよく目にする例として、愛猫がクッションや人の腕などを踏む様子があります。
時には、激しくクッションに食いつくような形で行うことも。
この行動は、猫が子猫時代に母猫からの授乳時に行っていた行動の名残とされています。
柔らかく温かいものに触れると、その感触が幼少期の安心感や幸福感を呼び覚ますため、本能的に「踏み踏み」を行うのです。
猫が飼い主に対してこの行動をする時は、甘えたいという気持ちの表れなので、その甘えを存分に受け入れてあげると良いでしょう。
虚空を凝視
時々、猫が何もない空間をじっと見つめることがありますね。
見た目には何もない場所を凝視しているように見えて、「見えない何かがそこにあるのでは?」と思ってしまうことも。
しかし、猫がこのような行動をとるのは超自然的な何かを見ているわけではありません。
猫は人間よりもはるかに優れた聴覚を持っており、家の中の僅かな音や隣室、外の音に反応しているだけです。
また、猫は縄張り意識が強く、室内飼いの猫は特に、窓の外や家の周囲の様子を警戒して見守る行動を取ることがあります。
排泄後に砂をかける
猫が排泄物に砂をかける行動は、犬ではあまり見られない独特の習性です。
この行動は、猫が野生時代に持っていた生存戦略の一部であり、自分の存在を敵から隠す目的があります。
排泄物を覆うことによって、猫は自身の居場所を敵に知られることなく、安全を確保することができます。
また、自分の臭いを消すことで、狩りの際に獲物に気づかれるリスクを減らすことができるため、この行動は野生の本能から来ています。猫は本能的に自分の痕跡を消すために砂を使います。
飼い主の座っていた場所を占領する
愛猫が飼い主が座っていた場所を占領する行動は、家庭で飼われている猫によく見られます。
たとえば、飼い主が席を立ってすぐ戻った際に、その場所に猫がすでに座っていることがあります。
この行動には主に二つの理由が考えられます。
一つは、飼い主の匂いが残る場所が安心できるお気に入りの場所と感じるからです。
もう一つは、飼い主に注目してほしいという「かまってほしい」サインとして行うことです。
特に、飼い主が忙しくしているときに、愛猫が自らをアピールするためにその場所を選ぶことがあります。
まとめ
猫の行動に関する説明を通じて、猫がどのようにして私たち人間とは異なる感覚を持ち、時には不思議な行動で私たちを楽しませてくれるかをお伝えしました。
顔を洗う理由から、飼い主の席を占領する行動に至るまで、猫の行動はその感覚の鋭敏さや独自の生活習慣に根ざしています。
また、夜間の活動や猫同士の集まりなど、私たちには理解しにくい行動も猫の魅力の一部です。